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犬の小話 - 愛犬が成犬になってから困らない、子犬の頃の食事の与え方

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こんにちは!カインズ町田多摩境店のしつけ方教室で活動中のドッグトレーナーそえじまです。愛犬はジャックラッセルテリアのモナちゃん(5歳)とレアくん(2歳)です。よろしくお願いします。

愛犬にご飯を与えた時、ご飯を守りお皿に触ろうとすると唸ったり威嚇するワンちゃんは意外に多い様に感じます。

今回は「将来愛犬が成犬になってから困らない様に、子犬の頃の食事の与え方」についてお話しようと思います。

 

犬は、生後3週~3カ月頃の「社会化期」、社会化期が終わり凡そ1歳頃までの若年期を通して、様々な事を吸収していきます。この期間に飼い主様は積極的に外に連れ出し、人に会わせ、物を見せ、匂いを嗅がせ、音を聞かせる。これらの事を「犬の社会化」すなわち人の社会で生きる術を教えて行く事になります。

犬と犬、犬と人の争いの火種になる原因は大きく3つあり「食べ物の奪い合い、場所の取り合い、自分を偉く見せる優位性行動」からなります。今回はその中から「食べ物の奪い合い」について、愛犬が食べ物を取られると危機感を感じ唸ったり攻撃に出るような勘違いをさせない為の方法を解説していきます。食べ物について勘違いさせたままにすると、ご飯を与えた後お皿を回収できない、お皿に手を伸ばすと唸る噛むなどで毎日のお世話が大変難しくなりますので早めに対策していきましょう。

 

少し犬の歴史についてお話します。例えば、母犬・父犬・兄弟犬2匹のファミリーが自ら狩猟をしていた時代には、狩った1つの獲物を家族同士で分け合って食べていました。まず両親犬は、子犬に食べ物を与え、もちろんお皿で小分けにしている訳ではありませんので1つの食べ物を兄弟同士で譲り合いながら食べます。その後、様子を見て両親犬が食べる形になります。このように幼犬の頃から、1つの食べ物を他の犬と一緒に食べてきた経験をしている犬は成犬になってからも、食べ物に対して寛容な性格になっていきます。

ただ狩りの形態も様々で単独で狩猟をしていた場合、食べ物を他の犬と一緒に分け合って食べる経験が無かったり少ない子犬は成犬になってから食べ物に対して固執する様になると考えられます。
この様に犬の性質から考えても元来群れで狩りをしていて食べ物を分け合っていた名残を上手に生かす事が出来れば、現代社会でも食べ物に固執するワンちゃんは減ってくるのではないかと思います。

 

それでは、現代のご家庭でどのように食べ物を与えて行くのが好ましいか考えてみたいと思います。

生後2~3カ月程度の、多頭飼いをしているご家庭であれば、お皿を並べ一緒の場所で食べる様にするのが好ましいと思います。お皿を分けても良いですし、1つのお皿で与えて様子を見ても良いかなと思います。

既に先住犬が大人の場合は皿を分けて、同じ場所で食べさせ、先住犬が臆病で無ければ後住犬に指導すると思いますが、それが出来なければ、ある程度飼い主様が間に入り食事をさせましょう。幼犬(生後2~3カ月)の頃から、この様な与え方をして来た子犬であれば、片方の犬が隣の皿を覗き込んだり摘まみ食いをしても恐らく争いは起きないでしょう。

また、単独飼いの場合、ご飯を与える際は飼い主様が、お皿の横に座り、人が近くにいる状態で食事をする事に慣れさせていきましょう。お皿からご飯を少々頂いて、手から与えたり、サークルの中で食事をさせる場合も独りにせず出来るだけ近くで見守る様にすると良いと思います。このような人と犬のやり取りは多頭飼いの場合でも実践して頂くと宜しいかなと思います。

 

もし、既にご飯に固執したり警戒している場合は、出来るだけ早く対策を打てれば改善してくる可能性が高くなりますし、1歳を過ぎている場合は性格によりますが、かなりの時間を掛け飼い主様がお皿のスムーズな上げ下げが出来る様に適切な練習を重ねて行く事で改善が見えてくると思います。

2~3カ月の子犬であれば本当に楽に、ご飯のやり取りを教える事が出来ますので直ぐ実践頂きたいのですが、もしお困りの方がいらっしゃれば、ご相談頂ければ幸いです。

  • 参考文献:犬の行動学 エーベルハルト・トルムラー著

 

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