こんにちは!カインズ町田多摩境店のしつけ方教室で活動中のドッグトレーナーそえじまです。愛犬はジャックラッセルテリアのモナちゃん(5歳)とレアくん(8月で2歳)です。よろしくお願いします。
現在ご家庭で飼われているワンちゃん達は学名で「イエイヌ(家犬)」と言われます。その祖先は(諸説ありますが)オオカミだと言われています。祖先たちは、生き延びる為に進化し、両親から知恵を学んできました。そして現代飼われているイエイヌ達の両親は飼い主様達になります。
今回は「幼いオオカミが両親から何を学んで来たのか」、そして「現代のイエイヌ達の教育担当は飼い主様である事」についてお話しようと思います。
私は生まれて間もない頃の事は覚えていませんが、社会で生活する為の最低限の術は両親から教わったと記憶しています。食事のマナーや文字の読み方、言葉使いや善悪の区別等は子供の頃に重要性は感じませんでしたが、歳を追うごとに社会を生きる基盤になっていると感じます。
これと同様に、犬の祖先にあたるオオカミ達も過酷な自然で生き延びるために、おばあちゃんの知恵袋的な長い時間を掛けて積み重ねて来た経験と両親狼から生き延びる為のサバイバル術の教育を受けます。
子狼は、両親狼の元で生き延びる為に逆らわない気持ちを育み、次第に大きくなると学習意欲が沸いてきます。そこで父親狼が楽しく遊んであげます。ただ、父親狼が子狼と遊ぶ時は漠然と遊ぶわけではなく、鉄のルールが存在し遊びを通じてサバイバル術を学習していく事になります。
この両親狼と子狼の関係性は、犬でも同じ事が言え、父親犬の代わりは飼い主様という事になります。飼い主様は、愛犬が人間社会で生きる為、迷わないようにしつけやトレーニングを行う事になります。
子犬の頃に教える事は山の様にあるわけですが、私は大きく「犬のマナー」「生活の質を上げるしつけ」「人間社会で生きる術を教えるトレーニング」の3つに分類しています。
1.犬のマナー
- トイレの場所を教える
- 噛んで良い物と悪い物を教える
- 寝場所を教える
- 食事中のマナーを教える
- 上手な遊び方を教える
- 車の中での過ごし方を教える
- 犬同士の振舞い方を教える
- 全身を触られても怖くない事を教える
- むやみにマウンティングしない事を教える
2.生活の質を上げるしつけ
- 散歩に連れ出し発散させる
- ボール投げ等の遊びで発散させる
- 被毛を清潔に保つ為にグルーミング(ブラッシング、歯磨き、爪切り、シャンプー)を行う
- 被毛の保護に洋服を着せる
3.人間社会で生きる術を教えるトレーニング
- 動く車、バイク、自転車等を追いかけない様に教える
- 通行人や他の犬にむやみに吠えたり、噛まない様に教える
- 外で感じる音、見る物、匂いが怖くない事を教える
- 飼い主様の指示(オスワリ、フセ、マテ、オイデ)に応える事を教える
飼い主様が愛犬に教える事を書き出してみました。いたずらをする子犬をよい成犬にする為には、途方もない努力が必要だと感じますし、私自身完璧に愛犬に教えてあげられたとは言えないと思います。
私が初めて犬を飼った時は、しつけ本と睨めっこして1ページ目から順に「しつけなきゃ!」という使命感で教えていましたが、今思えば犬の性質を正しく理解していれば、より正しく愛犬に無理なくしつける事が出来たのではと思う事がよくあります。
今回は、犬の祖先達は両親狼から経験と知恵を授かり生き延びて来た事、現代では飼い主様が愛犬に知恵を教えなくてはいけない事をお話しました。次回以降もこのブログの中で犬の性質をご紹介していければと思います。
- 参考書籍:犬の行動学 エーベルハルト・トルムラー著
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